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店主コメント

自分が最初に買った山岳用テントは NEMO の Atom 2P でした。
今は、防災テントとして、非常用バックパックの中に入っています。

まもなくして、テントの軽量化のために 3F UL GEAR の Lanshan 1 を使い始め、今では Lanshan 1 Pro が、自分の中での一軍テントの座をキープしています。

ハイカーたるもの、非自立型のワンポールテントを使い倒してなんぼ。
なんだったら、タープ泊やカウボーイキャンプを好んでやる。
自立型のテントは、もう使うことはないだろう。

変なこだわりからか、自分はずっとそう思っていました。
しかし、この Floating Cloud に出会ってから、自分の考えは激変します。

日本では、使っているユーザーやレビューをほとんど見かけることがない、このテント。
実は、使えば使うほど、日本の山岳シーンに適していることに気付かされます。

選べるインナーテント

海外ブランドの自立型テントを日本国内で使う際の課題の1つが、インナーテントのメッシュの多さ。
ほとんどのブランドのものは、軽量化を優先し、かつドライな気候の北米やヨーロッパに仕様をあわせているため、メッシュ部分が大きすぎて、日本の冬シーズンに使うには難しいものが大半を占めています。

この Floating Cloud は、フルメッシュの3シーズンと、ナイロン生地の4シーズンの2種類の中からインナーテントを選べます。
さらに、後からインナーテントだけを買い足すことで、同じテントをオールシーズンで使うことができます。

3シーズン用インナーはいわゆるフルメッシュで、夏の暑い時期にその換気能力を発揮します。4シーズン用インナーはナイロン生地で覆われており、冬の寒い時期に下から冷気がテント内に侵入するのを防いでくれます。

インナーテントを交換して、同じテントを長く使うという考え方は、3F UL GEAR の Lanshan シリーズに通じるものがあります。
なぜ、他のメーカーも、このような考え方をしないのか、不思議に思うところですが、正直なところ、メーカーとしては3シーズンと4シーズンで、別々にテントを買って欲しい、ということなのかもしれません。

自分は、このハイカーフレンドリー、もっと言えばハイカーのお財布に優しい、同社の考え方を知ってからは特に Floating Cloud を高く評価するのようになりました。

Naturehike CloudUp との比較

Floating Cloud との比較が避けて通れないテントを1つだけ挙げるとすれば、それは Naturehike の CloudUp になるでしょう。
価格という部分だけを見れば、CloudUp に軍配が上がりますが、Floating Cloud には CloudUp にない特徴が幾つかあります。

その1つが、前述の交換できるインナーテント。
CloudUp は、北米やヨーロッパ市場を意識してか、インナーテントの大部分をメッシュが占めます。
換気性能という面では良いのですが、やはり日本の冬シーズンに使うには難しいところがあります。
この部分では、インナーテントが交換できる Floating Cloud に軍配が上がります。

次に入り口の向き。
CloudUp は短辺側に入り口が配置されています。これは、モンベルのステラリッジなどと同じ思想で、崖下などに転落するリスクを抑えるため、前室に必要な生地の量を減らして軽くするため、雨の吹込みを最小限にするため、などの理由によるものかと思います。
一方で、Floating Cloud は長辺側に入り口が配置されています。これにより、前室そのものが大きく、広く使えます。

CloudUp のように短辺側に前室があるタイプのテントでは、前室で調理をするのはなかなか困難で工夫がいるところですが、Floating Cloud のように長辺側に前室があるタイプのテントでは、そのようなデメリットはありません。

最後に後室の存在。
Floating Cloud には、前室の反対側に「後室」があります。
インナーテントの内側からファスナーを開けることで、後室にアクセスすることができます。
後室は、前室ほどは広くないものの、シューズやバックパックを置くには十分なスペースです。
前室にあまり物が置かれていない状況は、意外なほどにテントへの出入りを容易にしてくれます。

利用シーン

場所と気候を適切に選べば、ワンポールテントでもアルプスへの山行は可能です。
ですが、人によっては稜線上でワンポールテントを張ることに、ややリスクを感じる方もいるかと思います。
そういった方には、自立型の Floating Cloud をぜひ使って頂きたいです。
4箇所のガイラインポイントこそ、ポールから直接出すタイプではないですが、それでも十分な耐風性は得られます。

最近では、軽量化を優先するあまり、前室やサイド部分のフライシートが大きくえぐられた形状をしているものもありますが、Floating Cloud のフライシートは、地面ギリギリとはいかないものの、風の侵入を防ぐには十分な低さを持っています。
これも、日本の山岳シーンで使う上では、耐風性の面で重要なポイントの1つかと思います。

数値に表れない内部の広さ

数字の上では、テント内部の広さは 210 x 70 x 110 cm ということになっています。
しかし、天井部分に取り付けられた拡張ポールによって、実際の内部空間は相当に広く感じられます。
イメージとしては、テントの中で寝転んで、両足をそのまま上に持ち上げても、両足が壁や天井に全く当たらない、といった感じです。

また、短辺側が2股ポールで拡張されていることから、頭や足元部分も非常に広く感じることができます。
自分は、この広さを利用して、就寝前にテントの中でストレッチをしっかりやるようにして、疲れを翌日に持ち越さないようにしています。
これも、内部空間が広く取れる Floating Cloud のメリットの1つかと思います。

個人的には、Floating Cloud は本来であれば、もっと日本の山岳シーンで普及していてもおかしくない逸品だと思います。

最小重量
1,180g
内訳:フライ 370g、インナー 390g、ポール 420g

最大重量
1,343g
内訳:上記の重量+フットプリント 143g、スタッフサック 20g

フライ素材
15D シリコン/PU ナイロン、 耐水圧 5000mm

インナー素材
4シーズン:15D ナイロン
3シーズン:20D ナイロンメッシュ

フロア素材
68D シリコン/PU ポリエステル

展開時サイズ
インナー:210 (L) x 70 (W) x 110 (H) cm

収納時サイズ
50 (L) x 13 (W)  cm

レビュー

レビューはまだありません。


“Floating Cloud 1” の口コミを投稿します

3F UL GEAR は、2009年に中国福建省南部の廈門市(アモイ市)で設立されたメーカー。
日本ではあまり知られていませんが、廈門市には世界の有名アパレルブランドの縫製工場が集積しており、その品質の高さはすでに実証されています。

同社の創業チームは、いずれもハイカーとして10年以上の経験を持っており、自分たちの経験に基づくもの作りを実践しています。
縫製を行う職人についても、3F UL GEAR の創業前から有名ブランドの OEM での経験を持っており、中には20年以上の縫製経験を持つメンバーもいます。

中国では、若い年代の縫製職離れが課題になっていますが、同社は若者に積極的に縫製職に携わってもらうべく、様々な取り組みを行っています。
無料の食事、手厚い福利厚生や年金制度を提供することで、若い世代が安心して縫製職に取り組めるようにしているとことは特筆すべきポイントです。

為替の影響で最近でこそ価格は少し上がりましたが、それでも高品質なULギアを手に届きやすい価格で提供し続けるメーカーとして、今後も注目です。

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3F UL GEAR

Floating Cloud 1

1180g

¥28,000¥29,000

日本の山岳シーンにも対応する、自立型テント、1人用。3シーズン用のフルメッシュ・インナーと、4シーズン用のナイロン生地インナーの2種類から選択可能。

クリア

店主コメント

自分が最初に買った山岳用テントは NEMO の Atom 2P でした。
今は、防災テントとして、非常用バックパックの中に入っています。

まもなくして、テントの軽量化のために 3F UL GEAR の Lanshan 1 を使い始め、今では Lanshan 1 Pro が、自分の中での一軍テントの座をキープしています。

ハイカーたるもの、非自立型のワンポールテントを使い倒してなんぼ。
なんだったら、タープ泊やカウボーイキャンプを好んでやる。
自立型のテントは、もう使うことはないだろう。

変なこだわりからか、自分はずっとそう思っていました。
しかし、この Floating Cloud に出会ってから、自分の考えは激変します。

日本では、使っているユーザーやレビューをほとんど見かけることがない、このテント。
実は、使えば使うほど、日本の山岳シーンに適していることに気付かされます。

選べるインナーテント

海外ブランドの自立型テントを日本国内で使う際の課題の1つが、インナーテントのメッシュの多さ。
ほとんどのブランドのものは、軽量化を優先し、かつドライな気候の北米やヨーロッパに仕様をあわせているため、メッシュ部分が大きすぎて、日本の冬シーズンに使うには難しいものが大半を占めています。

この Floating Cloud は、フルメッシュの3シーズンと、ナイロン生地の4シーズンの2種類の中からインナーテントを選べます。
さらに、後からインナーテントだけを買い足すことで、同じテントをオールシーズンで使うことができます。

3シーズン用インナーはいわゆるフルメッシュで、夏の暑い時期にその換気能力を発揮します。4シーズン用インナーはナイロン生地で覆われており、冬の寒い時期に下から冷気がテント内に侵入するのを防いでくれます。

インナーテントを交換して、同じテントを長く使うという考え方は、3F UL GEAR の Lanshan シリーズに通じるものがあります。
なぜ、他のメーカーも、このような考え方をしないのか、不思議に思うところですが、正直なところ、メーカーとしては3シーズンと4シーズンで、別々にテントを買って欲しい、ということなのかもしれません。

自分は、このハイカーフレンドリー、もっと言えばハイカーのお財布に優しい、同社の考え方を知ってからは特に Floating Cloud を高く評価するのようになりました。

Naturehike CloudUp との比較

Floating Cloud との比較が避けて通れないテントを1つだけ挙げるとすれば、それは Naturehike の CloudUp になるでしょう。
価格という部分だけを見れば、CloudUp に軍配が上がりますが、Floating Cloud には CloudUp にない特徴が幾つかあります。

その1つが、前述の交換できるインナーテント。
CloudUp は、北米やヨーロッパ市場を意識してか、インナーテントの大部分をメッシュが占めます。
換気性能という面では良いのですが、やはり日本の冬シーズンに使うには難しいところがあります。
この部分では、インナーテントが交換できる Floating Cloud に軍配が上がります。

次に入り口の向き。
CloudUp は短辺側に入り口が配置されています。これは、モンベルのステラリッジなどと同じ思想で、崖下などに転落するリスクを抑えるため、前室に必要な生地の量を減らして軽くするため、雨の吹込みを最小限にするため、などの理由によるものかと思います。
一方で、Floating Cloud は長辺側に入り口が配置されています。これにより、前室そのものが大きく、広く使えます。

CloudUp のように短辺側に前室があるタイプのテントでは、前室で調理をするのはなかなか困難で工夫がいるところですが、Floating Cloud のように長辺側に前室があるタイプのテントでは、そのようなデメリットはありません。

最後に後室の存在。
Floating Cloud には、前室の反対側に「後室」があります。
インナーテントの内側からファスナーを開けることで、後室にアクセスすることができます。
後室は、前室ほどは広くないものの、シューズやバックパックを置くには十分なスペースです。
前室にあまり物が置かれていない状況は、意外なほどにテントへの出入りを容易にしてくれます。

利用シーン

場所と気候を適切に選べば、ワンポールテントでもアルプスへの山行は可能です。
ですが、人によっては稜線上でワンポールテントを張ることに、ややリスクを感じる方もいるかと思います。
そういった方には、自立型の Floating Cloud をぜひ使って頂きたいです。
4箇所のガイラインポイントこそ、ポールから直接出すタイプではないですが、それでも十分な耐風性は得られます。

最近では、軽量化を優先するあまり、前室やサイド部分のフライシートが大きくえぐられた形状をしているものもありますが、Floating Cloud のフライシートは、地面ギリギリとはいかないものの、風の侵入を防ぐには十分な低さを持っています。
これも、日本の山岳シーンで使う上では、耐風性の面で重要なポイントの1つかと思います。

数値に表れない内部の広さ

数字の上では、テント内部の広さは 210 x 70 x 110 cm ということになっています。
しかし、天井部分に取り付けられた拡張ポールによって、実際の内部空間は相当に広く感じられます。
イメージとしては、テントの中で寝転んで、両足をそのまま上に持ち上げても、両足が壁や天井に全く当たらない、といった感じです。

また、短辺側が2股ポールで拡張されていることから、頭や足元部分も非常に広く感じることができます。
自分は、この広さを利用して、就寝前にテントの中でストレッチをしっかりやるようにして、疲れを翌日に持ち越さないようにしています。
これも、内部空間が広く取れる Floating Cloud のメリットの1つかと思います。

個人的には、Floating Cloud は本来であれば、もっと日本の山岳シーンで普及していてもおかしくない逸品だと思います。

最小重量
1,180g
内訳:フライ 370g、インナー 390g、ポール 420g

最大重量
1,343g
内訳:上記の重量+フットプリント 143g、スタッフサック 20g

フライ素材
15D シリコン/PU ナイロン、 耐水圧 5000mm

インナー素材
4シーズン:15D ナイロン
3シーズン:20D ナイロンメッシュ

フロア素材
68D シリコン/PU ポリエステル

展開時サイズ
インナー:210 (L) x 70 (W) x 110 (H) cm

収納時サイズ
50 (L) x 13 (W)  cm

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3F UL GEAR は、2009年に中国福建省南部の廈門市(アモイ市)で設立されたメーカー。
日本ではあまり知られていませんが、廈門市には世界の有名アパレルブランドの縫製工場が集積しており、その品質の高さはすでに実証されています。

同社の創業チームは、いずれもハイカーとして10年以上の経験を持っており、自分たちの経験に基づくもの作りを実践しています。
縫製を行う職人についても、3F UL GEAR の創業前から有名ブランドの OEM での経験を持っており、中には20年以上の縫製経験を持つメンバーもいます。

中国では、若い年代の縫製職離れが課題になっていますが、同社は若者に積極的に縫製職に携わってもらうべく、様々な取り組みを行っています。
無料の食事、手厚い福利厚生や年金制度を提供することで、若い世代が安心して縫製職に取り組めるようにしているとことは特筆すべきポイントです。

為替の影響で最近でこそ価格は少し上がりましたが、それでも高品質なULギアを手に届きやすい価格で提供し続けるメーカーとして、今後も注目です。

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